日本に於けるカジノを含む総合リゾート構想のお手本となるであろう、シンガポール、セントーサ島内の「リゾート・ワールド」が、今月20日より順次オープンとなるようです。
第1期としてハードロック・ホテル・シンガポールを含む4つのリゾートホテルが開業。1350室と10のレストランが提供されます。次に今春開業予定の「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」(ユニバーサルの開業は、政府当局の承認待ちのようです)。カジノについては、営業が承認された時点で発表するとの事です。
また、1年後には第2期として2つのホテルの開業を予定しており、加えて、世界最大級の Marine Life Park(海洋生態公園)とMaritime Experiential Museum(海洋体験博物館)の開業も予定しています。
セントーサ島は、既に観光エリアとして様々な施設があります。
セントーサ島の施設紹介:sentosa-HPへ
海を挟んだマリーナ地区では、米ラスベガスサンズ社が建設する「マリーナベイ・サンズ」があり、3つのホテルの最上階をつないだ特徴的な建物を中心に2500室のホテル、4000人収容の劇場、博物館、ショッピングモール。カジノはマカオでも実績を上げている、同社がのベネチアン・カジノと同様のサービスを提供とのことです。
開業に向けて、セントーサ島のリゾート・ワールドは、昨年11月時点で30のイベント予約を受け付けたと発表しており、10年には米パーソナルケア製品ニュースキンによる東南アジア会議、11年には世界各地の華人起業家ら約4000人が集まる「世界華商大会(WCRC)」、「アジア太平洋小売り業者大会」などが決まっていると発表しています。
マリーナ地区のマリーナ・ベイ・サンズは、今年1月~3月期の開業から2012年までに、国際会議・展示場「サンズ・エクスポ・アンド・コンベンション・センター」で30を超えるイベントを開催し、15万人以上の参加者を見込んでいると発表しています。主なものは、環太平洋法曹協会の年次総会(来年5月開催)、2010年国際見本市連盟(UFI)総会、国際産業ファブリック協会主催の国際エクスポアジア2011などが決まっていると発表しています。
シンガポールは、東南アジアではカジノに対し最も否定的な立場を取ってきた国ですが、MICE(ミーティング、インセンティブ、コンベンション、エキシビション)構想をアジアで最初に実現した国として、今後日本でも検討されていくであろうカジノ構想の手本となるでしょう。マカオもカジノだけではなく、今後はファミリーで楽しめるような街づくりを目指すと発表していますし、ベトナムにおいても同様の計画が検討されていると聞きます。
さて我が国、日本。観光立国を目指すと宣言したものの、現実味のある具体的な計画も発表されず、国家戦略としての野心も伺うことができない今、アジアの中で観光事業後進国とならないことを願うばかりです。