2011/06/28

ノアの方舟パーク「ARK ENCOUNTER」

27日の報道で少しばかり話題となった、米・ケッタッキー州でキリスト系団体が計画している「ARK ENCOUNTER(ノアの方舟パーク)」について調べてみた。


パーク内には、フルスケールの方舟が造られる予定で、完成すれば木材で造られた米国最大の建造物になるという。他には7つのテーマゾーンれており、総工費136億円をかけ、2014年春に第一期開業をめざすという。また900人の雇用を生み出し、年間入場者数160万人を計画している。開業のあかつきにはその効果で、州歳入200億円と試算している。

近隣には2007年に開業した「CREATION MUSEUM(天地創造博物館)」が好評を得ており、こちらとの相乗効果も狙ったものと思われる。こちらはNHKがキリスト教徒70%~80%の米国において、進化論を否定し、神が人間を創造したと信じている米国人が多いことが取材の中で紹介された。番組では進化論を教える学校には子どもを行かせず、保護者が家庭で教育するケースを取材していた。

方舟建設の費用の一部を一般から集めており、その内容は建設のための材木を寄付するというもので、目標は約20億円、27日時点で2.67億円の寄付が集まっている。日本ではお城や仏閣などの修復時に瓦を購入することで、その建設費の一部を負担するのと同じと考えればいいだろう。

ARK ENCOUNTER HPより
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<パーク概要>

THE ARC
実物大のノアの箱舟。長さ約137m、高さ3階建てのビル以上、デッキの広さは350面のテニスコート分の広さ、方舟の中は600の貨物列車が納まる。

Noah’s Animals
動物ふれあいエリア。アーカーソン洲にいる動物について詳しく学ぶ場を提供。また、動物や鳥のショーも行われる。

The Walled City 
城壁で囲われた都市(パークのエントランス)。洪水が起きる前の人々の生活の場を再現。ショップやレストランを配置。そして「なぜノアの箱舟?」ということを知る場所。

The Children’s Area
子供向けのアスレチックエリア。天地創造やイエスの経済のデザイン(?)を学ぶ。

The Aviary
3つの鳥のゲージで、より自然に近い鳥たちの生態を学ぶ。また蝶の生態を学ぶエリアもある。

First-Century Village
期限1世紀のイスラエ・ガレリア地方の典型的な村を施設のみならず、実際に人・家畜・農業・食事風景なども再現し、当時を体験することができる。また、それらの体験とライブとビデオを組み合わせたショーを体験することで、なぜ神がイエスを地球に送ったかを学ぶ。

The Tower of Babel
100フィートを超えるバベルの塔を再現。展示エリアと500席の特殊効果をふんだんに使ったショーの上演。

Journey through Biblical History
聖書の歴史について、ナイル川を模した船で旅しながら(?)、大洪水の後のイスラエルの形成、エジプトでの10厄災、紅海の奇跡を学ぶ。

「天地創造博物館」も含め、歴史の勉強にはなりそうなので機会があればぜひ訪れてみたいと思えるパークです。



<その他のキリスト教関連パーク>

アルゼンチン・ブエノスアイレスティエラ・サンタ(Tierra Santa)

・米フロリダ州オーランド「ホーリーランド・エクスペリアンス(Holyland Experience

・スペイン・マジョルカ島(計画中)

「ARK ENCOUNTER」に関するABC NEWSより


asahi.com 6月27日 米の雇用創出、神頼み? 「ノアの方舟」テーマパークに

2011/06/25

あったらいいな。メトロポリタン・ヴァーチカル・テーマパーク

「テーマパークは、なぜ都市の郊外に大規模で造られなくてはならないのか。人の空洞化が深刻になった都心をうまく活用する方法はないだろうか」

建築家キム・ジュヒョン氏(38歳/在米)のそんな問の答えが「メトロポリタン・ヴァーチカル・テーマパーク(Metropolitan Vertical Themepark)」。
Metropolitan Vertical Theme Park – 24 hour open theme park – © Ju-Hyun Kim
カナダ・トロントで行われた建築のデザイン公募展「2011 AZ AWARDS」で、世界中から出品された600作品のなかから、本賞(ベストコンセプト部門)と人気賞を受賞した。

超高層ビルで楽しむバンジージャンプ、ビルの下を行きかう車を見下ろしながら楽しむジェットコースターなど、超高層テーマパーク計画案はテーマパークに対する固定観念を覆した。通常水平に設置される大観覧車やジェットコースター、メリーゴーランドなどを垂直に配し、超高層ビルに収め、太陽熱と雨水浄化システムを利用したグリーンエネルギーも導入。郊外遊園地に出かける際のエネルギー消費と時間を減らし、都心の空スペースを効率的に活用した計画案。

Metropolitan Vertical Theme Park – 24 hour open theme park – © Ju-Hyun Kim
Metropolitan Vertical Theme Park – 24 hour open theme park – © Ju-Hyun Kim
Metropolitan Vertical Theme Park – 24 hour open theme park – © Ju-Hyun Kim
Metropolitan Vertical Theme Park – 24 hour open theme park – © Ju-Hyun Kim
キム氏は電話インタビューで、「ネクタイをした会社員が昼休みや仕事帰りにバンジージャンプができ、学生が地下鉄に乗って行ける遊べる都心型遊園地を考えた。想像するだけでも楽しい作業だった」、また受賞について「従来のテーマパークの反環境的問題、都市空洞化などに疑問を提示したのが新鮮に受け止められたのだろう。現在は不可能だろうが、将来は環境にやさしい高層テーマパークが都市のランドマークになるのではないだろうか」と述べた。(2011.6.24Joongang Ilboより抜粋)

今までのテーマパークにはなかった、新たなワクワクを感じさせてくれる素晴らしい作品。震災復興の一つとして、仙台に計画されようとしているIR(カジノを含む統合型リゾート)の目玉として考えられないだろうか。

2011/06/24

日本にパーク業界大物企業が進出。なぜ今?

23日、英・マリーン・エンターテイメンツ社(ME社)は日本進出を発表した。今年10月東京・お台場「デックス東京ビーチ」に、世界で13番目となる蝋人形館「マダム・タッソー東京」を期間限定でオープンする。また来年6月には12億円をかけ、同施設6階と7階の4000㎡に「レゴランド・ディスカバリー・センター(LLDC)」も開業する(マッスルパーク跡)。

日本国内でのME社の認知は低いが、世界17カ国74ヶ所のテーマパークなどの施設運営を行っており総年間入場者数は4400万人。入場者数ではディズニー社に次ぐ世界第二位の企業。

今年10月にオープンする蝋人形館は、世界的に有名なロンドンにある「マダム・タッソー蝋人形館」の日本仕様。ビートルズやマイケル・ジャクソンなどの有名人蝋人形とは別に、日本のアニメや有名人の蝋人形も制作中とのこと(現時点では展示内容の詳細について発表されていない)。
※本展示催事については期間限定としているが、常設展示の可能性も示唆している

来年6月開業予定の「レゴランド・ディスカバリー・センター(LLDC)」は、3歳~10歳の子どもを対象とした施設で、インタラクティブな教育と楽しさの提供を目指すという。LEGOを使用し子どもの想像力を刺激する教育的プログラムや、LEGOで造られた乗物、4Dシアターなどが用意されるという。また施設内には象徴的な建物などの展示も予定されている。入場については入替制(3時間)を予定。

この時期に日本進出を果たすME社は、何を狙っているのだろう。想像の域はでないが、以下のような事が考えられるのではないだろうか。

  • デックス東京ビーチは、店舗を埋めるのに苦戦、格安の条件を引き出してのテスト出店。事業が順調に行けば、全国主要都市にLLCDの展開を狙っているのか(キッザニアが思うように出店できていないなか)
  • 1990年前後に造られ破綻した各地のテーマパークの買収をにらんだ日本進出
  • 石原都知事の願い通りにいけば、お台場にはオリンピック施設とカジノができる
  • 今後計画が期待されるIR(カジノを含む統合型リゾート)への出店
  • 大阪・エキスポランド跡地再開発事業への出店

などなど考えればきりがないが、パーク事業を次々と買収し収益を上げてきたME社。いろいろと想像してしまう。果たして日本進出の真意は何なのか今後の彼らの動きが気になる。

今回のリリース配信のタイミングと同じくして、ME社の関係者が来日していたと漏れ聞こえていたが、メディアがインタビューを行った形跡もなく、日本進出の最初の活動にしては、少々おとなしすぎるというか、あえてそうしたのか分からないが気になるところだ。

ME社の日本における事業の狙いについては、10月にオープンを予定している蝋人形館「マダム・タッソー東京」の開業時に行われるであろう記者会見またはプレスプレビューで明かされるであろうことを期待しよう。

マリーン・エンターテイメンツ社(現地6月23日配信)プレスリリース

2011/06/22

世界のトローンボーン奏者が被災地に捧げる「A Song For Japan」

世界中のトローンボーン吹きが、心を一つにし、日本の被災地に捧げます。
頑張れ日本!~日本に捧ぐ歌~

日本人トロンボーン奏者たちが中心となり、世界のトロンボーン奏者と共に、東日本大震災で犠牲になられ方、被災された方へ音楽で力になろうと、祈りの曲として「日本に捧ぐ歌(S.フェルヘルスト)」を作曲、プロ、アマ問わず世界の音楽家たちが演奏しています。

この活動は、世界のさまざまな演奏会で「日本に捧ぐ歌」が演奏されることで、聴衆も含め被災地に想いを寄せようというものです。

初演は4月にオランダ行われたヨーロピアン・トロンボーン・フェスティバル「スライド・ファクトリー 2011」。以降、この活動は広がりを見せ、世界のトローンボーン奏者たちを中心に演奏されています。

譜面はソロからアンサンブルに至るまで用意されており、HPからダウンロード(無料)が可能です。ジャンルを問わずさまざまな音楽の演奏会場でこの曲が演奏され、聴衆も含め被災地に想いを寄せ、祈りを捧げていただければと願います。

トロンボーンの音は、人の声に最も近いといわれ、奏でられるハーモニーは多くの人を魅了してきました。既に多くの演奏がYOUTUBEに寄せられています。人の心に寄り添うことが得意なトロンボーン。演奏を聴いていただき、音楽をされている友人や知人にお知らせ頂ければ嬉しく思います。

是非、A Song For JapanのHPをごらんください。
http://www.trombones.jp/index.html

※個人的にはこの活動には何ら関係はありません。、一音楽ファンとして紹介させていただきました。

2011/06/18

世界のテーマパーク入場者数2010発表

TEA(テーマエンターテイメント協会)から2010年の世界のテーマパーク入場者数が発表された。

入場者数上位10施設の内、8位までをディズニーのパークが独占、9位がユニバーサル・スタジオ・ジャパン、10位がエバーランド(韓国)となっている。

2010年については2009年の順位と変わらないものの、わずかだがマジック・キングダム(▲1.5%)、エプコットセンター(▲1.5%)、ディズニーランド・パーク・パリス(▲2.6%)、ディズニー・スタジオ・ハリウッド(▲1.0%)が数字を落としている。

対照的に、ユニバーサル・スタジオのアイランド・オブ・アドベンチャー(30.2%)、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド(26.1%)が大きく入場者数を伸ばしている。アイランド・オブ・アドベンチャーについてはハリーポッター導入、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドについては、MUMMY(ハムナプトラ)、キングコング4D導入で大きく数字を伸ばしたと考えられる。

国内のパークでは、東京ディズニー・ランド(5.5%)、東京ディズニー・シー(5.9%)、ユニバーサルス・タジオ・ジャパン(2.0%)となっており、アジアではロッテ・ワールド(22.4%)、香港ディズニー・ランド(13.0%)、エバーランド(11.6%)が目を引く、ロッテワールドについてはリニュアルを行ったのと、韓国への中国人観光客が増えたことが大きく数字を伸ばしたと考えられる。エバーランドについてはリニュアルは終了していないが中国人観光客増が貢献していると考えられる。

アジアを見ると中国が躍進しており、韓国やシンガポールへの中国人旅行客増も含め、経済発展とともに中国での余暇産業の発展が著しいことが伺える(アジア圏についてはフルレポートを)。

TEA & AECOM「The Global Attractions Attendance Report」より
MAGIC KINGDOM at Walt Disney World,
Lake Buena Vista, FL, U.S.A
16,972,000
▲1.5%
DISNEYLAND,
Anaheim, CA, U.S.A.
15,980,000
0.5%
TOKYO DISNEYLAND,
Tokyo, Japan
14,452,000
5.9%
TOKYO DISNEYSEA,
Tokyo, Japan
12,633,000
5.5%
EPCOT at Walt Disney World,
Lake Buena Vista, FL, U.S.A.
10,825,000
▲1.5%
DISNEYLAND PARK at Disneyland Paris,
Marne-la-Vallee, France
10,500,000
▲2.6%
DISNEY’S ANIMAL KINGDOM at Walt
Disney World, Lake Buena Vista, FL, U.S.A.
9,686,000
1.0%
DISNEY’S HOLLYWOOD STUDIOS at Walt
Disney World, Lake Buena Vista, FL, U.S.A.
9,603,000
▲1.0%
UNIVERSAL STUDIOS JAPAN,
Osaka, Japan
8,160,000
2.0%
10
EVERLAND,
Gyeonggi-Do, South Korea
6,884,000
11.6%
11
DISNEY CALIFORNIA ADVENTURE,
Anaheim, CA, U.S.A.
6,278,000
3.0%
12
ISLANDS OF ADVENTURE
at Universal Orlando, FL, U.S.A.
5,949,000
30.2%
13
UNIVERSAL STUDIOS
at Universal Orlando, FL, U.S.A.
5,925,000
6.1%
14
LOTTE WORLD,
Seoul, South Korea
5,551,000
22.4%
15
HONG KONG DISNEYLAND,
Hong Kong S.A.R.
5,200,000
13.0%
16
SEAWORLD FLORIDA,
Orlando, FL, U.S.A.
5,100,000
▲12.1%
17
OCEAN PARK,
HONG KONG S.A.R.
5,100,000
6.3%
18
UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOOD,
Universal City, CA, U.S.A.
5,040,000
26.0%
19
WALT DISNEY STUDIOS at Disneyland
Paris, Marne-la-Vallee, France
4,500,000
▲2.6%
20
NAGASHIMA SPA LAND,
Kuwana, Japan
4,465,000
▲5.0%
21
EUROPA PARK,
Rust, Germany
4,250,000
0.0%
22
BUSCH GARDENS TAMPA BAY,
Tampa, FL, U.S.A.
4,200,000
2.4%
23
YOKOHAMA HAKKEIJIMA SEA PARADISE,
Yokohama, Japan
4,023,000
▲6.0%
24
DE EFTELING,
Kaatsheuvel, the Netherlands
4,000,000
0.0%
25
SEAWORLD CALIFORNIA,
San Diego, CA, U.S.A.
3,800,000
▲9.5%

2011/06/17

カジノを推進する前に再検証を。「日本のテーマパークが破綻した10の理由」

東日本大震災の復興財源捻出、地域振興としてカジノ構想が急浮上した。早ければ年内、遅くとも今年度中にはカジノ法案が成立する可能性がでてきた。そこで過去に地域観光活性の旗の下、全国で多く造られたテーマパークをはじめとする観光施設の破綻原因を改めて検証しカジノ構想に活かして欲しいと思う。

1980年後半から1990年初頭にかけて全国で建設されたテーマパークをはじめとする観光施設の多くが破綻したのは「人災」

1987年に制定されたリゾート法(総合保養地域整備法)により、1980年後半から1990年初頭にかけて、地域振興をうたい多くの観光施設が計画された。しかし、その殆どで民事再生法や会社更生法の適応をうける結果となった。当時、テーマパークや観光施設などが破綻したことについて、破綻の事実は報道されても、その原因に言及する報道はなく、釈明会見でもその多くで「集客が思うようにできなかった」で済まされることが殆どであった。

それらの多くが第三セクター方式によるもので、多くの資金(税金含む)が投入されたにもかかわらずその責任を負うものはなく、破綻に至った原因の究明もなされなかった。結果、その負担は国民が負うこととなった。つまり、それらの計画や経営に携わった関係者は一切責任を負うことがなかったということだ。

※第三セクター(Wikiより):日本においては、国または地方公共団体(第一セクター)が民間企業(第二セクター)と共同出資によって設立した法人を指すことが多い。その場合、多くは設立が比較的容易でその運営方式も自由な株式会社の形態を採る。半官半民の中間的な形態が、第三の方式という意味である。)

皆さんがお住まいの近くにも、一つや二つあると思う。思い出してください。

個人的にはカジノ法案が成立することを願っている。国内10ヶ所程度のカジノを含めた統合型リゾート(Integrated Resort(IR))が計画される事は大歓迎だが、IRの計画は過去のような安易な観光施設計画では必ず失敗する。国会で検討されようとしているカジノ法案は、国や地方の今後にかかわる重要な案件の一つ、現在の国状を考えても失敗は許されない。

カジノの是非いついてここでは示さないが、今、カジノ法案と共に何が検討されようとしているかについて正しい情報を知っていただき、これらを知った上で地域主導でその是非について議論していただきたい。

では、テーマパークに代表される観光施設の破綻原因を施設開業の前後に分け、個人的考えとして以下に記す。


「日本のテーマパークが破綻した10の理由」

■計画から建設
  1. 計画・実行責任者が素人であり、適切な判断を下せなかった。また(結果として)そこに集まったコンサルタントなどは信頼に足りるものではなかった
  2. 社会(地域)への十分な説明による理解のもとに計画されなかった
  3. 適正な情報と予測を基にした計画ではなかった
  4. 恒久施設であることを認識した計画ではなかった
  5. 適正な予算計画・管理ができていなかった
■運営(経営)
  1. 素人経営であった(第三セクターの場合、トップは天下り)
  2. 稼ぐという執念がなかった
  3. 社会を理解し、社会と向き合うことができなかった
  4. 感性価値の創造ができなかった
  5. 運営に関わる業務全般で、経験豊富なゼネラリスト、真のスペシャリストがいなかった
ゆえに観光施設の破綻原因は「人災」であると言える。これらを検証することは重要で、同じことを繰り返すことは許されない。カジノ法案では第三セクター方式での計画・運営はとらないようだが、IRが計画され推進されることになった際には、最低以下のことは行っていただきたい。
  1. 適正な人材の確保(コンサルタントなども含めた)
  2. 適時適正な情報公開と広聴
  3. カジノに頼らない経営(カジノは強力な観光コンテンツだが、それに胡坐をかく経営では失敗する)
これらを十分に理解し、国・自治体はカジノ推進に、地域主導で取り組んでいただきたい。

カジノ法草案:サマリー(カジノ合法化に関する100の質問より)
http://www.casinonews.jp/Seminor/casino_act_summary.pdf

カジノに関して知りたい方はコチラを薦めます。
カジノ合法化に関する100の質問:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/

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少し古いが内閣府政策統括官室 経済財政分析担当による以下のレポートを見ていただいても、そのずさんさがわかる。
地域の経済2004 ~地域経済とグローバル化~

レポートでは、当時の代表的なテーマパークの苦戦の要因を以下のようにまとめているので、簡単に記しておく。
  1. 「この街でこのテーマ」というコンセプトがはっきりしていないものが多かった
  2. 初期投資が大きく、支払負担が大きいために、追加投資が思うようにできなか
  3. 事業主体が第三セクター方式を取っていた
  4. 来客予測が甘かった。これは、第三セクター方式を取っていることとも結び付くが、専門家でない人間が予測を立てたところで、甘くなるのは当然である
テーマパークは、リピーターの取り込みに苦戦していると言える。初期投資に加えて追加投資を行い、絶えず魅力的なサービスを提供していかないと、リピーターはついてこない。観光を分析する上で、テーマパークの事例は多くの示唆を与えてくれる。

2011/06/14

キッザニア・クアラルンプール開業早まる。今後も続々と開業。

シンガポール・クアラルンプールのショッピングセンター「ザ・カーブ」に、2012年開業に向け準備が進んでいたキッザニアが、今年12月に開業すると発表した。

写真:マレーシヤインサイダー
マレーシアでのキッザニアの開発は国営投資会社カザナ・ナショナル社が80%出資した合弁会社がおこなっている。また、この投資会社は2013年開業予定のレゴランドにも出資している。

■子どもや親以上に、投資家や企業に人気があるキッザニア

アジア、中東ではテーマパークなどの施設計画・開業が次々と発表されているが、中断・頓挫のニュースも聞かれる。そんななかにあってキッザニアは東京で開業してから5年で15カ国に広がった。そして計画の中断などはなく順次開業している。

キッザニアが急速に増えるキッカケは東京での開業である。この開業が日本のみならず、経済発展めざましいアジア、将来の資源枯渇に備え新たな産業創出を観光に求めた中東の目に留まったからだ。

キッザニアは「教育的要素が高い体験型エンターティメント」施設、つまり職業(社会)体験施設である。経営側にとっては、テーマパークなどのように広大な土地を必要とせず投資額も少なくて済む。協賛(出展)を検討する企業にとっては、社会貢献名目で支出が可能で、従来のテーマパークなどへの協賛金に比べ格段に少な金額で済む。また教育的な施設にもかかわらず自社製品やサービスを活用したアトラクションが出展でき、社名や製品名の露出ができるなど、いままでにないビジネスモデルであったことが急速な広がりを見せた要因である。そしてなによりキッザニアが提供するサービスが、子を持つ親たちのニーズに完全に合致したことはいうまでもない。

つまり、運営(経営)側・出展側(企業側)・顧客の3者がWin-Winの関係となるビジネスであるということである。

キッザニア式ビジネスモデルの可能性に偶然とは言えいち早く気づいたのが、日本のキッザニアの代表を務める株式会社キッズシティージャパン住谷栄之資氏。氏が日本に持ち込まなければここまでの広がりはなかっただろう。氏は飲食業のフランチャイズで成功し、社長引退後世界一周の旅に出かけたおりにメキシコにユニークな子どもの施設があると聞き訪問。そのときビジネスマンとしての直感「イケル」がビジネスマンとしての復帰を決断させ日本でのキッザニア開業となったという。

現在では計画は一段落したように見えるが、台湾や米国などでも計画が噂されている。日本では経済が立ち直ってくれば、あと3~4ヶ所の計画も可能と考えられるし、中国などでも複数の施設ができても不思議ではない。今後、ここ5年のような広がりはないものの、着実に施設数を増やしていくだろう。

現在の計画など
開業:メキシコ(本家)、日本、ジャカルタ、ソウル、リスボン、ドバイ
計画・建設中:サンチャゴ、インド、上海、バンコク、カイロ、クアラルンプール、サンパウロ、クエート、ヨルダン、シンガポール、(台湾? 米国?)

2011/06/11

弘田三枝子、美空ひばりを凌ぐといわせたシンガー

弘田三枝子のシンガーとしての実力をどれほどの多くの方がご存知なのか、年配者であっても「ポップスの女王」といわれたことは知っていても、その多くは歌謡歌手としての彼女しか知らない。ジャズシンガーとして高い評価を受けていたことは以外に知られていないように思う。個人的想いも含めジャズシンガー弘田三枝子を紹介する。

「バケーション(1962)」、「悲しきハート(1963)」に代表されるポップスのカバー。平行して歌謡歌手としても活躍し、「人形の家(1969)」はあまりにも有名。アニメ主題歌「レオのテーマ」やCMソング「ワンサカ娘(レナウン)」を歌ったことでも知られている。

1947年に生まれ、10歳に満たない頃から米軍キャンプで歌いはじめ14歳でデビュー、翌年に「バケーション」が大ヒットし一躍スターに。しかし彼女が求めていたのはジャズ。1965年に18歳という若さで世界三大ジャズフェスティバルの一つ「ニューポート・ジャズ・フェスティバル(現:JVC Jazz Festival Newport, R.I.)」に出演し好評を得た。これは日本人歌手としてはじめてのこと。

翌年19歳でリリースしたアルバム「ニューヨークのミコ-Miko in New York(1966)」は、日本の音楽史に名盤として残すべきと個人的には思っている。19歳と思えぬ完成度の高さ、美空ひばりを凌ぐといわせるだけのことはあると感じさせられる。またバックを務めたのが一流のミュージシャンであったことも当時の彼女の才能を最大限引出したといえるいだろう。
Billy Taylor(Pf)、Ben Tucker(Bs)、Grady Tate(Ds)

「I wish I knew how it would feel to be」

歌謡界での活躍は続くが1970年代に入り歌謡界も変化して行く。そんななかジャズシンガーとしての活動が主となってくる。70年代は彼女にとってシンガーとして円熟味を増して行った10年でもあったが、80年代に入り姿を見ることがなくなった。

数年前から時折テレビなどにも登場するようになったが、残念ながら彼女の歌は、自身の耳に残るものとはほど遠いものであった。しかし、彼女が不世出のシンガーとして残したものは輝き続けると思っている。以下に彼女の魅力が発揮されているものを紹介する。是非、聞いていただきたい。

まだ若さが残るが音楽を掴むフィーリングといえばよいのか、才能と上手さは十分に感じる1曲(なんだか調子は良くなさそうだが)。バックが原信夫とシャープ&フラッツなのが嬉しい。

「Mack The Knife(70年前半?)」

1976年にリリースされたアルバム「My Funny Valentine」に収録された「My Love」。当時人気を博していたジャズミュージシャンたちが参加している。鈴木宏昌のアレンジも見逃せない。鈴木宏昌(Pf)、石川晶(Pr)、村岡健(Ts・Fl)、市原康(Dr)、岡沢章・江藤勲(Bs)、直居隆雄・松木恒秀(Gt)

「My Love(1976)」

個人的に彼女のベストパフォーマンスと思っている1曲。バックには世良譲トリオに、当時圧倒的な人気を誇った高橋達也と東京ユニオンのホーンセクション。ドライブ感ある素晴らしい演奏。アレンジも素晴らしく、おそらく前田憲男。ソロは松本英彦。

「On A Clear Day(80年頃)」(TBS サウンド・イン・S)

動画が見れない場合はこちらをクリック。

以前、本ブログで同時期に活躍した、不世出のシンガーとして朱里エイコも紹介しています。「自身の才能と歌謡界の狭間でもがいたシンガー

2011/06/09

Monkey Kingdom Park、北京で2014年開業

北京より北55kmに位置する紅螺湖畔450エーカーを使った大型複合施設の一部として、中国独自文化を集約した「Monkey Kingdom Park(おサル王国?)」が2014年に開業を予定している。


Monkey Kingdom Parkは、400年前に書かれた(?)小説「西遊記」をテーマに、中国の歴史・文化を伝えるファンタジックな施設になるという。

計画は、会議場、展示会場、ホテル、商業施設など、MICE機能を有した複合型の開発となるようだ。パークの設計、デザインは、その世界では有名なThink Well社が行っている。

中国が積極的にインバウンド振興に力を入れている表れとなる今回の大型開発。日本もおちおちしておれません。


ShinkWell社HPより

2011/06/08

パラマウント・ムービー・パークについて

現在パラマウント・ムービー・パークといわれる施設は存在しない。パラマウント社は、カナダ、アメリカに、パラマウント・パークという名称でライドパークやウォー ターパークを所有していたが、現在はないと思われる(2006年頃にCedarFair社に売却。その時に人気映画の名称が付いたライド アトラクションは、全て名称変更したと記憶しているhttp://www.cedarfair.com/)。

パラマウント社にとって自社コンテンツを活用したテーマパークがつくられることは、映画コンテンツの2次使用料が得られ、パークが存続する限り大きな収入となる。つまり版権ビジネス。

パラマウント社はパーク事業に対し投資はせず、テーマパーク運営事業に対し映画コンテンツの使用を許諾する代わりに、入場料に対し7%程度(たぶん)の版権料を受け取る。その他にもグッツなどのお土産制作にかかわる版権など多くの収入が見込める。

以前よりテーマパーク事業への参入意向は強かったようだが、特にアジアの経済発展を背景にアジアでのテーマパーク事業には拘った感がある。多くの人気コンテンツを持ちながら、今までテーマパーク事業に参入しなかったのが不思議なぐらいである。

<パラマウント・ムービー・パーク計画の歴史>
※パラマウント社の著作権管理・許諾の業務を行うパラマウント・ライセンシング社が交渉・契約窓口

2004年、福岡で計画が発表される。予定では06年着工、10年開業予定であったが資金の目処が立たず断念。

2008年5月、韓国で「パラマウント・ムービー・パーク・コリア(仮称)」計画発表。発表以降、計画は進んでいない。

2009年7月、大阪に「パラマウント・リゾート大阪(仮称)」計画発表(事業会社の先走り発表)。今年9月、大阪府によるエキスポランド跡地を含む万博公園南側の再開発計画案のコンペが行われ、11月に開発概要とともに事業者が決まる。

2010年9月、スペインで「パラマウント・ピクチャーズ・テーマパーク(仮称)」計画発表。今年3月に2015年開業予定と発表。

2011年5月、ヨルダンで「スタートレック・パーク(仮称)」計画発表。2014年開業予定。

先にも書いたが、今年11月には大阪にパラマウント・ムービー・パークが建設されるか否かが決まる。決まればスペインの2015年開業より先に開業できる可能性もあると思う。開業するならアジア初ではなく世界初になって欲しい。その方がはるかにグローバルでのニュースバリューがあり、外国人観光客誘致の力になると思う。

2011/06/05

パラマウント・リゾート大阪(俗称)計画といわれているエキスポランド跡地利用について

今年11月に事業者が決定し、その内容が明らかにされる。

世間で言われている「エキスポランド跡地にパラマント・パークができるかも」について、多くの方が正しい情報と動向についてご存じないようなので簡単に整理しておく。

エキスポランドを含む大阪万博南側の活用については、パラマウント・パークありきではなく、大阪府は委員会を立ち上げ、府民アンケートをとるなどし活用方針を発表。それに基づいて事業者選定のコンペが行われる。既にコンペには3社2社の参加が決まっている。

【正式名称】万博記念公園南側ゾーン活性化事業
【対象地域】大阪万博南側(エキスポランド跡地含む)約18.4haから約39.6ha
                ※計画に際し、当初から全ての土地を利用することを前提としていない
【事業者】平成23年11月決定予定

詳しくは、大阪府HPで確認。
万博記念公園南側ゾーン活性化事業者の募集について

現在に至るまでの経緯は以下で。
万博記念公園南側ゾーン活性化プラン案

活性化プラン提案には、パラマウント・パーク実現に向けて動いている燦アセットマネージメント株式会社が入っている(正しくは子会社の大阪投資マネージメント株式会社)。先にも何度か書いてきたが、大阪投資マネージメントが事業者として選ばれる可能性は高いだろう。

今回の事業の特徴は、従来の多くのテーマパークに見られた税金投入による第三セクター方式ではなく、あくまで民間事業として行うおこなうことが条件となっている。それを考えると
大阪投資マネージメントは、事業リスクを低減するために、商業施設、映画館、ホテルなども含めた複合型施設とならざるをえないだろう。

大阪投資マネージメント自身の投資額を抑えるためにも商業施設、映画館、ホテルを誘致することは重要で、開発エリアの管理とテーマパーク運営を行う企業という形態を目指していると考えられる。つまり誘致した施設の建設費用、事業責任を負わない形にするのではないかと考えられる。

11月に事業者選定され、活性化プランが発表されるのを楽しみに待ちましょう。下馬評とおり大阪投資マネージメントが開発事業者として選定された際には、世に流出しているイメージ図が現実のもとなることを願いましょう。



参考資料:活性化対象エリア(大阪府資料より)



参考資料:府民アンケート一部抜粋(大阪府資料より)
Q.大阪府では、自然文化園や日本庭園などを現状のまま残しながら、万博記念公園内のエキスポランド跡地に、民間の資金を活用して、経済効果が関西全体におよび、また、内外からの集客が見込め、広域的なにぎわいづくりにつながるような施設を立地することが望ましいと考えています。 エキスポランド跡地を中心とした万博記念公園の南側ゾーンが、『年間を通じて多くの府民に利用され、他の都道府県や海外からも多くの人々が集まるようになる』ためには、どのような施設を整備するのが有効だと思われますか。下表の施設別にお答えください。


投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。