2010/11/27

Feuの焼き菓子とアカシアの蜂蜜

東京でも「Feu」をご存知の方がおられたことに驚きました。

昨夜、西麻布でセレブな方の集まりとは知らず、主催者の方から「覗いてよ」との気軽な誘いに乗って行った集まり、お土産で頂いたのが「Feu」の焼き菓子とルーマニア産アカシアの蜂蜜でした。

「Feu」は芦屋にある焼き菓子のお店で東京にはなく、その上に営業は週に1日というお店です。一つ一つが手作りで、材料は全てオーガニックの材料で作られています。

阪神間に住む私の友人は皆知っており、阪神間では知られたお店だと思います。少し濃い目のストレートティーといただくのがとてもよいです。オーナーは大変まじめな方のようで、それはホームページをご覧いただければわかります。

Feu-HP:http://feu-ashiya.com/

ご興味ある方は、お取り寄せもできますので一度お試しになってはいかがでしょうか。


もう一つものお土産、ルーマニア産アカシアの蜂蜜です。

通常ミツバチの行動範囲は2キロといわれているそうで、例えば○○花の蜂蜜といった場合、最低でも直径4キロの単一の植物がある環境の中心に巣箱を置いてはじめて○○花の蜂蜜といえるそうです。国内ではなかなか難しいそうです。100%蜂蜜か否かは、開封後白く結晶ができるかで判断できるそうです。白い結晶ができる蜂蜜は、砂糖などが加えているということです。もちろんいただいた蜂蜜は純度100%蜂蜜です。

クリスマス、お正月と自宅でご馳走を食べる機会が多くなりますが、そのおりには美味しいチーズを数種購入して、ルーマニア産アカシア蜂蜜と一緒にいただきましょう。

余談ですが、ルーマニアは昔、水よりもワインの方が安価で、ワインを炭酸で割って飲んでいたそうです。いまでもレストランでワインを頼むと「炭酸いりますか」と聞かれるそうです。また割ることを前提にしていたのか、甘いワインが多いのもルーマニアワインの特徴だそうです。

大人の会話が楽しめ、素敵なお土産までいただける集いは、豊かな気持ちにさせてくれます。ただ、私は場違いであったことは確かです。

2010/11/25

上海ディズニー事業申請承認と「文化的空母」と称されたディズニー

上海市人民政府新聞弁公室は4日、政府当局が上海ディズニーランドの事業申請を承認したと発表しました。

広州で行なわれているアジア競技大会終了後に発表があるのではと聞いていましたので、発表を見逃してしまい、20日遅れの投稿になってしまいました。

上海のテーマパークについてはユニバーサル・スタジオが上海万博に開幕に合わせ開業と言われていました。ユニバーサル・スタジオのスタッフも上海入りし、準備を進めていましたが、確か5年前に突然破談となりました。

そして昨年1月、ディズニーの上海進出が発表され、今月4日に正式に承認されました。開業は2014年、入場者は年間1千万人を見込んでいます。面積410ヘクタール、建設費244億元、開業すれば上海のサービス業に年500億元の経済効果をもたらすと予測されています。

上海、ミッキーマウスで文化的地位向上?」記事では、ディズニーを「文化的空母」と呼んでいます。日本人には浮かばない発想です。

中国は、文化(思想)に大きく影響を及ぼすと考えられる外来文化の流入について、必ずと言ってよいほど論争が起こります。以前、本ブログで「日本は西洋文化に寛容か無防備か」と題した投稿で、ディズニーの中国上陸について起きた中国国内での論争について触れました。

ヨーロッパ諸国でも、国民生活や思想・文化に大きな影響をあたえると考えられる外来文化については、政府も含め導入には慎重を期すことがあるようです。

ディズニーのような、米国大衆文化の雄の上陸に対して、中国がどのような文化的・思想的影響を受けるかを論じる報道は、面白く、勉強にもなります。外来文化による日本文化への影響について、メディアなので論じられることが少ない日本ですが、戦後、さまざまな点で外来文化に影響を受け、今に至った日本をあらためて見つめなおすと、少し考えさせられます。

今後の動きをウォッチされたい方はコチラ。
既に日本語で上海ディズニーの動向を伝えるページが立っています。
http://j.peopledaily.com.cn/94825/94829/98813/index.html

2010/11/23

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとソーシャルメディア

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、ソーシャルメディア・プラットフォーム「We are USJ」をはじめて1ヶ月あまり、様子を見ていますが今一ピンときません。

「We are USJ」についての発表資料はコチラ

発表資料でのUSJからのメッセージは、「ゲスト、従業員、キャラクターなどとのコミュニケーションを図っていきます」ということです。プラットフォームを結構しっかり作り込んでいる割にはメッセージが弱い気がしますし、その弱さが「図ってどうするの?」と思いになってしまいます。

従業員やキャラクターのツイッターへのつぶやきは、企業がプロモーションとして行なうには疑問の内容です。またオフィシャルブログ「テーマパークは生きものだ」は、従業員とオフィシャルブロガーが投稿するとなっていますが、多くは従業員による投稿のようです。ターゲットをどこに据えて書かれたものか、また内容はともかく文章が幼稚すぎます。最も欠けているのは、お客様をお迎えする立場であることをわきまえたものとなっていません。単に「○○をやってます」、「○○売ってます」というだけで、体験することや所有することの喜びなどについて語られていません。ワクワク感を醸成しないですね。

内容を見ているとツイッターは「受け」、ブログは「お知らせ」で、本来USJが伝えなければならないことが見受けられませんし、訪問者に対する問いかけがありません。USJがいう「コミュニケーションを図っていきます」は、ワンウエイのことなのでしょうか。違うと思います。コミュニケーションを図るということは、USJ側から能動的に働きかけないと、USJが考えているであろうコミュニケーションは成立しません。

「We are USJ」はコミュニケーション機会をつくるためのツールであって、お客(ファン)とUSJとのコミュニケーションを深めるのは従業員(投稿者)です。もちろんそれを円滑に、効果的に、目的を達するために技術は必要ですが、ツールを作ることが目的となっているようにしか見えないのは私だけでしょうか。

例えばツイッターで「今日のパークは晴天ですけど少し寒いのでコートを」はよいですし、ユーザーの反応もあるでしょう。例えば、加えて「寒さ吹き飛ばす感動と喜びはご用意していますが、念のため」と付け加えると随分印象が変わってきます。また「寒さ感じたら○○レストランで、○○スープで身体を温めてください。評判いいんです」なんていうのもいいかもしれません。

このようなツールを使用するときに重要と考えるのは、ユーザーとの距離をいかに短くするかということです。つまりユーザーに親近感を感じてもらうといことです。上記のつぶやきに「ありがとう、コートもっていきます」と返信してきたユーザーに対し、「寒さ感じたら○○レストランの○○スープで身体を温めてください。評判いいんです」と返すことで、ユーザーとの距離は縮まり、ユーザーはUSJに対し親しみを感じるでしょう。またユーザーはパーク内で寒いと感じたとき、最初に思い浮かぶのはおすすめのスープでしょう。

このように親近感を抱かせる返信をすることが重要で、そうすることで広告的なメッセージが入っても不快感を与えないと思いますし、結果としてUSJが金銭的利益のみならず多くのものを手に入れることに繋がると思います。

USJはさまざまなコミュニケーション計画を打ち出してきますが、そこには企業として十分に練られた跡が見受けられません。昨年発表した「きずなラボ」の開設についてもしかりです。本ブログで予想した通りの状態になっているようです。

本ブログの「きずなラボ」に関する投稿:USJが脳科学調査

「きずなラボ」:http://www.kizuna-lab.jp/top.html

「We are USJ」が「きずなラボ」の二の舞にならぬよう、ソーシャルメディアを活用したコミュニケーションのありかたにについて、今一度考えていただきたいと思います。

私だったらUSJの園長である「ウッディー」のツイッターを立てます。キャラクターとしてもツイッター向きですし、その後、状況を見て彼女である 「ウィニー」を登場させ、ツイッターの世界で「ウッディー&ウィニー」のやり取り、例えば共感できるウィニーとウッディーの互いへの不満ややきもち、切ない気持ちなどにパーク情報をのせ、エンターテイメント企業としてのツイッターを計画しますがいかがでしょう。

そうすることで、つぶやかない人も、二人のやり取りとそこに割ってはいるユーザーツイートを楽しんでもらえると思います。親近感やパークの臨場感も伝わりやすいように思います。

「We are USJ」は、成功するのに最も難しい運営方法を選んでいるような気がします。

とはいえ、せっかく「We are USJ」を立ち上げたのですから、コミュニケーションを図るということは、USJから社会に歩み寄ることから始まることを再確認し、歩み寄るための技術について再検討し、十分なトレーニングをし、USJのことならホームページより、「We are USJよ!」といっていただけるようなものにしていただきたいですね。

2010/11/21

カジノ解禁に向かうのか

11月19日、パチンコチェーンストア協会の会合において岩屋毅衆議院議員(自民党/国際観光産業振興議員連盟会長代行)が、今年8月に発表された「特定複合観光施設区域整備法案」について経緯と意義について説明をおこないました。
  • 超党派議連は115名だが、200名を目標にして立法化を目指す
  • 試算ではカジノを含む大型リゾート施設は、1施設(ホテル4,000室規模の複合商業施設)の場合、投資5,000億円、工期3年、雇用11万人で営業を開始した場合、年間売上約8,000億円、約650万人の来場中、外国人旅行者は130万人の規模と想定
  • カジノ誘致に意欲のある自治体代表者を集めた会合を12月16日開催予定
  • 立法での実務面では省庁の協力のもと観光庁との協力体制(MICE調査研究の予算拠出)
  • 日本経団連観光委員会委員長の大塚陸毅会長(JR東日本)との協力姿勢など、次第に協力体制が整いつつある
などを報告し、カジノ法案について賛否両論活発に議論が巻き起こり、そのような中で元気な日本づくりに向け理解を呼びかけたようです。

「特定複合観光施設区域整備法案」とは、カジノを核とした複合施設の整備を目的とした法案のことです。民主党など超党派でつくる「国際観光産業振興議員連盟」が試案としてまとめ発表されたものです。その概要は以下の通りです。

カジノを核とした複合観光施設を設置できる区域を「特定複合観光施設区域」とし、国・自治体・民間主体の役割を明示。国や自治体が運営を厳格に管理、監督することで、賭博を禁じている刑法に抵触しないよう立法措置を講じる。開発、施設整備には税金を使わず民間資金を活用する。当初は国内に2カ所とし、最大10カ所に限定し区域は国が指定する。
同整備法案は、国際競争力のある滞在型観光と地域経済の振興を目的としたカジノを核とした複合観光施設の整備が狙い。収益の一部は地方と国の財政に貢献する。
※法案提出は、2011年の通常国会を目指しています。
上記概要で重要なのは「開発、施設整備には税金を使わず、民間資金を活用する」で、80年代から90年代にかけて全国で観光振興を掲げ、多くの税金が投入され第三セクターで造られたテーマパークや各種施設の多くが破綻したことの反省が含まれていると考えられます。

また、民間資金を活用するとのことですが、遊戯機器メーカーの参入意欲は皆の知るところです。実のところ国内大手企業も既に海外でのカジノ事業に関わっており社会評価を考慮し表立った動きをしていないだけです。やるぞとなれば資金は集まるでしょう。

以前にも書きましたが、上記にあるように当初2カ所の候補地がどこか、最大10ヶ所に設置するとなったときの地域はどこかが気になるところですが、当初の2箇所は、沖縄・北海道・東京と思われますが、東京はオリンピックに再立候補を思案しているとの話も聞きますので手を上げるかどうかでしょう。沖縄は間違いなく特定複合観光施設区域として指定されるでしょう。また、その後の10ヶ所については道州制で区分された地域に一つといったところでしょうか。

カジノを核とした複合施設の必要性とそこへの期待は、政府、自治体、企業にとって大きいものですが、まずは政治のバタバタが落ち着き、法案提出とならない限りなんともなりません。この調子だと春ではなく、秋の国会になりそうな気もします。

とはいえ他のアジア諸国は着々と観光立国への道を歩んでおり、日本でカジノが認可されたあかつきにはアジア諸国と激しい誘客合戦が予想されます。

もう土建国家はごめんです。建設することが目的にならぬよう、恒久的な営業(集客)行い、しっかりと収入を得るためには何をしなければならいのか、単に施設を造るだけではなく、航空行政、観光地整備、ビザ発給の緩和、自然や歴史的建造物の保全と再発見など、総合的に新観光産業の創出・発展を目指し、国家戦略としてまとめていただきたいものです。もちろん国民への十分な説明と理解も行なっていただきたいですね。

2010/11/17

白玉ナイトアウト

11月20日(土)、青山で4人のクリエイティブな仕事に就かれている方が、一つの空間の中で一同にそれぞれの作品を披露するという。

 

4人の職業は、カメラマン、陶芸家、ライター、サウンドプロデューサー、確かに創造的なお仕事です。

送られてきた案内状には詳しいことは書かれていません。日時と場所、それにわざわざ※印で「ワンオーダー制500円」と書かれているだけです。

タイトルから察すると、見るものに何かを問う写真、身も心も開放してくれる音楽、見るものを夢中にさせる器、休日の午後を完全OFFにしてくれる環境を提供してくれるのでしょうか。これに甘く美味しい白玉メニューが500円でいただけるのであればリセットしに行ってみようかと思ってしまします。

しかし案内状にはご来場お待ちしていますとは書かれていません。

画廊を覗く気分で伺ってみましょう。

と、いうよりお付き合いで覗いてみましょう。皆さんも宜しかったら覗いてください。

売上の一部は社会貢献活動に寄付されるそうです。

詳しくは:http://shiratama.oops.jp/nightout
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テーマパーク、マカオで計画

16日香港の各紙は、マカオテーマパーク・リゾートが1千億円超の投資をし、マカオに新たな巨大テーマパークを誕生させると報じています。


建設予定地は、数年前ピューロランドが計画され着工に至らなかった場所で、既に建築申請を行なっており、建築許可がおりしだい着工するようです。場所はマカオのコタイ地区で20万平方メートル、3期に分け9年かけて建設されます。

ホテル6棟(6,000室)、ショッピングモール、4D映画館、劇場、屋内ビーチ、プール、乗馬センターなど建設が予定されています。また世界的に有名なテーマパークを誘致する可能性も示唆しているとのことです。

この計画により、マカオへの観光客は250万人増えると試算されており、建設時には作業員7,500人、完成後の施設従業員9,000人の雇用創出も見込まれています。

数年前、マカオもラスベガス同様に、カジノ客だけではなくファミリー層の取り込みについても積極的に計画していくとの発表をしました。その目玉となるのが今回の計画なのでしょうか。

観光とカジノという点では、既にアジアの中で遅れをとっている日本。相変わらずの政府を見ていると、観光立国への期待の熱が冷めてしまいます。

ちなみに投資を決めた方は、カジノ王と呼ばれる方の第四夫人アンジェラ・リョン氏だそうです。

2010/11/16

誰にも文句は言わせないJacintha

ぐっと落ち着いた気分になりたいと、何を聞こうかと考えて浮かんだのが女性ジャズボーカルJacintha(ジャシンタ)の「A Vocal Tribute to Ben Webste(1998)」。このアルバムを聞くのは、たぶん1年ぶりぐらいでしょうか。


彼女は殆どの楽曲で声を張る(力む)ことはありません。彼女のボーカルの魅力は非常に細やかな表現をサラリとやってのけてしまう技術です。特に同じようなトーンで歌っているようでも声のコントラストが微妙に違います。陰影を感じる声、少しチャーミングに感じる声など、さまざまな色合いで細やかに表現しています。また乗りが大きい(リズムのとらえ方が大きい)ので聴き手に安心感を与えます。加えて、媚びるような歌い方をしないところも彼女の魅力ではないでしょうか。

とにかく素晴らしいボーカリストです。

このアルバムは有名なスタンダードナンバーをずらりと揃えた内容です。このような歌モノのアルバムの場合、数曲はいまいちというケースが多く、それを避けるために奇をてらったアレンジをして失敗に終わるなど、なかなか良い評価を得るのが難しいのですが、このアルバムにはそんな心配はいりません。またこのアルバム以降に発売されたアルバム全てにおいても素晴らしいと言えます(最新のものは聴いていませんが)。

素晴らしい世界を創りあげる彼女の経歴も興味深いものがあります。彼女はシンガポールで活躍する国民的スターで女優としても有名です。1957年10月3日マレーシア生まれ、父親はスリランカ人でクラシックギターを習得したジャズギターリスト、母親は中国人でピアノニストであり声楽家だそうです。

幼少の頃から声楽とピアノを学び、シンガポール青少年合唱団で歌っていたそうです。テレビタレントコンテストで優勝したそうです。シンガポール国立大学に進み英語の学位を取得、その後ハーバード大学で創作について学びました。シンガポールに帰国した彼女はステージョーなどで人気を博し、紹介したアルバムからボーカリストとして米国に進出し現在に至っています。

日本人好みと思うのですが、なぜか日本での知名度が低いのです。彼女について書かれたものは皆無と言っていいでしょう。シンガポールが彼女の活動の場となっているのと日本版が発売されていないからでしょうか。

実は私も2002年まで彼女のことは全く知りませんでした。シンガポールの友人とジャズの話をしたときに彼女の存在を知らされました。それ以来ファンとなり、米国デビューしてからベストアルバム含め7枚のアルバムが発売されており内5枚を所有しています。

アルバムに収録されている「Danny Boy」がYOUTUBEにアップされていましたので是非お聞きください。2:40までは無伴奏で、その後ピアノ、ベース、ドラムが、それまでに創られた雰囲気を壊すことなく入ってきます。無伴奏とバックがついたときとの彼女の変化、バックがついてからもその場その場での細やかな表現とじっくり聴ける1曲です。また7分を超える作品ですが、彼女のソロで始まりエンディングまでの持って行き方が素晴らしく、まるで「ダニーボーイ物語」を見ているような気分にさせられます。彼女の持つ才能か、計算されたものかは分かりませんが、唸らせてくれます。むせぶテナーサックスもいいです。

2010/11/13

感動を与えてくれた日本人ジャズドラマー

12日の日経新聞文化面に、「伴奏ドラマー、今こそ主役」というタイトルで、若かれし頃の憧れのジャズドラマー海老沢一博さんの記事が掲載されていました。

Latin Jazz Big Band Festival 2008より
12歳の時に横浜で行なわれた江利チエミさんのコンサートに1週間通いつめ、チエミさんから「そんなに私のこと好きなの」と言われ、ミュージシャンになろうと決意したそうです。

中学2年の時、横浜のナイトクラブ「ナイト・アンド・デイ」(作家ジェームス三木が歌手デビューしたクラブとして有名)の専属バンドであったピアニスト松岡直也氏(後に「松岡直也&Wesing」でブレイク)のバンドにバンドボーイとして入り、16歳の時にスマイリー小原氏(踊る指揮者として人気を博した)に見出され、スカイライナーズ(ザ・ヒット・パレードで伴奏をしていたビックバンド)のドラマーとしてプロデビュー。その後有名ビックバンドを渡り歩き、75年再びドラムを学び直そうと渡米されました。

私が始めて海老沢さんの演奏を聞いたのは帰国後間もない頃だと思います。TBSの音楽番組の収録現場に来られ、リハーサルの時にレギュラーを努めていたバンドのドラマーに代わって叩いたときでした。

美しいシンバルレガート、ステックとドラムがぶつかった瞬間の音は物理的な衝突音ではなく、優しく力強く、一打一打全てが語りかけてくる音でした。流れる ようなドラムソロからは美しいメロディーを感じました。日本人ジャズドラマーの中で最も感動を与えてくれたドラマーとして、今でもその感動は忘れません。

多くのミュージシャンから「えびちゃん」と親しまれており、一目置かれていました。笑顔がかわいい方で親しみやすそうな方だなと感じたのが第一印象でした。一方、音楽に対する信念と強い意志を持たれていた方で衝突も多かったようです。武勇談も含めあれやこれやの話は山とある方でもあります。

海老沢さんがビックバンドで活躍した時代、日本の歌謡界は60年代中頃から80年初頭の絶頂期に向け駆け上がっていた時代であり、ジャズもまた人気を博していた時代です。当時のテレビ局の看板番組は歌謡番組で、その多くは当時人気のあったジャズのビックバンドが伴奏をつとめていました。12月になれば、「特番 なつかしの歌謡曲」なんていう番組で、海老沢さんの演奏する姿が見られるかもわかりません。

海老沢さんも66歳、最近、自身のバンドで初めてのリーダーアルバムを発表されたようです。早速、Amazonで購入。

記事を読んで、ビックバンドを引っ張る海老沢さんのドラムをもう一度聴いてみたいと思ったのは私だけではないでしょう。
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【江利チエミ】50年代に美空ひばり、雪村いづみと共に"三人娘"として一世を風靡した江利チエミ。幼い頃より米軍キャンプ廻りをして歌うことに親しみ、51年に弱冠14歳でデビュー。パティ・ペイジのカヴァー「テネシー・ワルツ」が大ヒットを記録し、一夜にしてスターの座を射止める。その後もジャズ/ラテン/ロックンロールなど、さまざまなジャンルの洋楽を取り上げ、外国曲に馴染みの薄かった日本人に多大なるインパクトを与えた。本格的にジャズを学ぶために渡米したというエピソードからもわかるように、抜群のリズム感や表現力を誇り、クロッぽさという点では"三人娘"でも頭一つ抜きん出ていただろう。また、持ち前の明朗なキャラクターで映画やミュージカルでも大活躍。俳優・高倉健との結婚も話題を集めた。しかし晩年はアルコールに溺れ、必ずしも幸せではなかったようだ。82年に他界。(goo音楽より)

2010/11/06

ペット業界、自身を映す鏡を持たない悲しさ

今年はペット業界の話を耳にすることが多く、またペットたちの現状についても深く知る機会が多くありました。
<平成20年度 犬猫の処分数>
犬:84,264頭  猫:202,228頭  計286,492頭
(H19年度より約2.4万頭減少)

ペッ トの悲惨な状況を伝える報道は近年多く見受けますが、社会問題としての報道であり、動物との共生についての報道は非常に少ないと思います。今秋 COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が愛知県で開催さました。動物との共生について考える良いきっかけになるかな思っていましたが、 COP10自体が話題になることが少なかったのではないでしょうか。

では、社会問題としての報道が多いのにもかかわらず、社会からの問題提起や解決への動きがないのは何故なのでしょう。確かに一部企業と動物保護団体は、殺処分減や保護犬の譲渡促進などの啓蒙活動を行っているようですが、企業においては掛け声だけの印象が強く、保護団体は点での活動で、なかなか大きな力になっていないのが実情ではないでしょうか。

このような状況はペット業界がペットたちの現状を問題として捉えていないか、業界として問題解決に積極的に動いていないからではないではないでしょうか。つまり自らの収益を優先してきたことにほかなりません。動物保護法の整備も他の先進国と比べれば大きく遅れている現状からすれば、ペット業界は社会的責任を果たすためにも積極的な行動が求められるところです。

人間社会では共生社会を目指してといわれています。人と長く暮らしてきた犬や猫も共生社会の一員であると考えるのが一般的だと思います。その現実があるからこそ、ペット業界は産業として発展してきたのです。共生社会の一員として、ペット業界自らが動物たちの現状改善に率先して取り組まなくてはならないのではないでしょうか。このままでは、業界は社会から自覚がないと思われても致し方ないのではないでしょう。これは業界の発展を自ら拒んでいることと同じと言えます。

動物たちが置かれている現状を考えるとペット関連企業が、官、学、業界団体、保護団体に積極的に働きかけ、一体となって動物たちの現状改善に取り組まなければ、倫理観が欠如した業界として社会には受け入れられなくなり、関連企業は淘汰され産業規模は縮小していくでしょう。

ペッ ト産業は危機感を持っていると聞きました。伸び率が低調になってきているとのことです。業界全体の売上で見ると微増ですが、犬のペットフードは飼育頭数が 頭打ちとなり、市場は縮小ぎみです。しかし高額なペットフードの売上が伸びているため売上げという点では、横ばい・微増ということです。ペットケア用品や 玩具などについては、一桁前半の伸びを維持しています。
 (2009年4月20日富士経済調査発表より「全体の市場規模は前年比2.9%増の3981億円となった。2009年もプラス成長を維持し、同4.5%増の4159億円になると予想」)

業界として危機感を持っていてもなお何もできない業界、ペット業界は動物好き頼みの業界です。ペット業界は動物たちと彼らを愛する飼い主によって生かされていることに気づき、動物たちが安心して暮らせ、そして自らが発展していけるために何を行うべきかをよく考えていただきたいものです。

既に、自治体、一部企業、動物保護団体などにより問題解決の方向性は示されると思います。 それは、保護犬・猫の譲渡促進と里親募集です。これらの活動に、ペット関連産業は企業市民として社会的倫理観を持って積極的に取り組むだけです。

このままでは、犬や猫たちは社会が助けても、ペット業界に対して社会は救いの手を差し伸べないでしょう。

投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。