2009/06/10

USJ迷走か再生の始まりか

GSグループによるTOBも終了、非上場となったユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)ですが、今後の動きが気になります。

昨年に引き続き夏休み限定で、人気アニメの「ナルト」のライブショーが実施されます。USJは何処に向かっているのでしょうか。


確かに夏休み期間の集客を狙ってのことでしょうが、日本人が望むハリウッド発のムービー・テーマ・パークについて理解してくれているのでしょうか。集客が伸び悩む中で背に腹は変えられないのでしょう。マーケットについて、どのような調査を行い、検証し、マーケティングに活かしているのでしょう。

広 く一般の集客は十分に行えており、一層の集客を狙っているのであれば、まだ理解しないでもないですが、広く一般の集客がままならない状態で計画されるプラ ンなんでしょう。それとも、とにかく現状を凌ぐための集客を行い、3年後、5年後に、本来の姿であるハリウッド発のムービー・テーマパークとして、再出 発する計画が水面下で動いているのでしょうか。


ここ数年、日本のコンテンツを採用することがUSJにとっては正しい選択であることが、以下の「ビジョン」の変化(違い)から読み取れます。そこから考えれば「ナルト」の採用も頷けるのですが、広く一般には浸透していません。だから余計に色々と意見が出るのでしょう。開業当時は、広く一般にビジョンを宣言していました。しかし現在のビジョンを広く一般に宣言したのでしょうか。来場者となる一般の方々はビジョンが変わったことを認知しているのでしょうか。

開業時のビジョンには、「・・・ハリウッドの世界最高のエンターテイメントを提供・・・」から現在「・・・エンターテイメント&レジャー業界におけるアジアのリーディングカンパニー・・・」となっています。ハリウッド」が無くなっています。
ミッションについては、「ハリウッド体験を提供し続けます
がなくなっています。

つまり、広く一般がUSJに対し期待していることと、現在のUSJの考えは異なるということです。


<ビジョン>
開業時:「ハリウッドの最高のエンターテイメントを採り入れた世界のテーマパークを実現することによって、人々に喜びを提供し社会に貢献する
現在:「私たちは、ゲストの期待を上回る「感動とサービス」を提供することにより、エンターテインメント&レジャー業界におけるアジアのリーディングカンパニーを目指します」

<ミッション>
開業時:「私たちは、世界中のお客様に期待を上回る最高のクォリティーとサービスで、夢と感動と興奮にあふれるハリウッド体験を提供し続けます」

現在:「見当たりません(行動規範としてHPに掲載されています)」
あくまで想像の域から出ませんが、USJ再生のシナリオを考えてみました。
来年ETアトラクションションが新たなアトラクションに生まれ変わり、シンガポールのユニバーサルで来年導入される 世界初のアトラクション「トランスフォーマー」「マミー」、フロリダでは「ハリーポッター」のアトラクションと新しいアトラクションの導入が計画されてお り、これらがUSJに来るのか。またUSJのターミネーター(T2-3D)も新アトラクションへのリニューアルとの噂も聞きます(米国ではトランスフォーマーにリニュアル)。他には、ハリウッドのユニバーサルが先日の火災でダメージを受けたキングコングを新たな企画でリオープンさせることを発表しています。

これらの何れかのアトラクションを導入予定と想定し、良い方向で考えるのであれば、今は「凌ぎの期間」なんでしょう。非上場となり、GSグループ所有となった今、6月下旬に行われる株主総会後、新たな投資をあおぎ、5年をかけて新アトラクション導入を進め、同時に企業価値を高めながら、非上場6年目で再上場と、こんなシナリオなんでしょう。上場を成し遂げた現社長のガンペル氏の任期もたしか6年延長。


日本人にとってアメリカのテーマパークは、アメリカの象徴の一つです。そのことを念頭において再起に向け頑張っていただきたいものです。

投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。