2009/05/08

街のギャラリー「阪急西宮ギャラリー」

先日レッドクリフを観た「阪急西宮ガーデンズ」に、友人に会うために再び行きました。約束の時間より早くついたので、時間がつぶせる所はないかと館内案内図で「阪急西宮ギャラリー」という施設を見つけ行ってきた。


■阪急西宮ギャラリーHPより

「阪急西宮ギャラリー」では、かつて阪急西宮ガーデンズ建設地に在った、阪急西宮スタジアム(旧阪急西宮球場)にて開催されたさまざまな催し、阪急電鉄が所有していたプロ野球球団・阪急ブレーブスの名シーンや記念の品々、創業時の沿線風景、事業展開など、歴史と文化を映像やパネルで展示している。また、1983年当時の西宮北口駅周辺を再現したジオラマ模型もなかなかのもの。

ギャラリー内のパネルを読むだけでもノスタルジックな気分になれ、なんだか嬉しい気分にもなれると思う。野球ファンにとっては、阪急ブレーブスのチャンピョンフラッグ(1975)、詳細に再現された阪急西宮スタジアム(旧阪急西宮球場)のジオラマ、鉄道ファンにとっては、神戸線と今津線が十字に交わる線路「ダイヤモンドクロス」のジオラマと、小さなギャラリーですが、私にとっては楽しいひとときを提供してくれる場所でした。




個人的には阪急電鉄(正確には阪急東宝グループ)という企業に対し大変興味を持っており、特に娯楽と文化という点で、国内企業の中で最もその発展に寄与した企業の一つと考えている。

宝塚歌劇団、日本初のプロ野球球団「阪急ブレーブス(現オリックス)」、宝塚映画(PDF)、阪急少年音楽隊(阪急百貨店が運営していた阪急商業学院)、宝塚ファミリーランド他パーク事業など多くの娯楽を提供するだけでなく、音楽を通じた人材育成の場としての宝塚音楽学校、阪急商業学院(現向陽台高等学校吹奏楽コース)と、一貫して地域の文化発展に寄与してきた。阪急グループが、娯楽・文化を通じて地域や社会に貢献した歴史は、「阪急電鉄と地域文化」と題したレポートが書けるほど、膨大なものがあると思う。

現在、宝塚歌劇団や宝塚音楽学校、宝塚ファミリーランドは「宝塚ガーデンフィールズ」として生まれ変わり、園内につくられた宝塚市立手塚治虫記念館は営業中であるものの、従来のようにエンターテイメント(娯楽)に力を注ぐ阪急電鉄というイメージは、個人的には薄れた(ここで言う薄れたとは阪急沿線という地域に対して)。しかし、阪急電鉄が育んだとも言える沿線の地域文化は、今後、そこで生まれ育った地域住人がバトンを受け取り、今後は地域住人によって阪急沿線(阪神間)文化を発展させていかなくてはならないだろうか。

多くの企業が社会活動に取り組み中、阪急電鉄の事業活動と地域への貢献は、企業の社会活動の手本となるなるのではないでだろうか。電鉄の歴史と創立者の小林一三氏を知ることで、社会に対する企業のあり方が見えてきます。単に鉄道事業の発展だけではなく「企業は地域社会と共に発展していく」を実践した企業であることをあらためて認識した。また、それが社会から信頼される企業(高い企業価値)を維持してきた大きな要因と言える。

街の小さなギャラリーが考えさせてくれた阪急電鉄という企業の姿、こんなことを考えたのもGWという休みの効果なんでしょうか。

※現在、阪急阪神ホールディングスの元、阪急東宝グループとして、宝塚歌劇をはじめ、映画、演劇など、エンターテイメントを提供する企業として広く事業活動を行っており、本ブログは企業成長過程の一時代を切り出し書いたものです。

投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。