2009/04/20

30年経っても色あせないアルバム

中学・高校のときは、キャンディーズや山口百恵など歌謡界絶頂の頃、殆どと言っていいほど興味を持たなかった私に とって、ジャズを歌う女性歌手だけが興味の対象でした。マーサー三宅、弘田三枝子が特にお気に入りでしたが、今までの日本人とは異なるフィーリングを感じ たのが「笠井紀美子(1945年生れ)」です。
笠井さんは79年に渡米して以来、米国にお住まいで、音楽をやめらてからはジュエリーデザイナーとして活躍し、音楽家のご主人と米国に暮らしておられます。(ご主人のリチャード・ルドルフ氏は、ミニー・リパートンが歌って大ヒットした「ラビィン・ユー」の作者)

笠井さんのアルバムの中で、お気に入りは幾つかありますが、音楽的な面はもちろん「笠井さんって根性あるなー」と思ったのが、ハービー・ハンコック・グループを従えレコーディングした「BUTTERFLY (1979)」です。ジャンルで言えば大人のフュージョン系アルバムです。
既にスターであったハンコック氏を従えたレコーディングのうえに、アルバム8曲中、6曲がハンコック氏の楽曲ですから、その挑戦には驚きましたし、その挑戦を受けたハンコック氏も凄いなと思ったことを記憶しています。

このアルバムはハンコック氏が、電子楽器を使用し、ジャズにファンクやR&Bの要素を取り入れていた時代で、ソウル フルな日本人離れした笠井さんのボーカルがガッチリかみ合った1枚です。また、ハンコック氏がボーカルアルバム制作のために全面的にバックアップしたのは このアルバムだけで、そういう意味でも貴重なアルバムだと言えます。
少し曲の紹介をしましょう。
軽快なリズムで始まる1曲目「アイ・ソウト・イット・ワズ・ユー」は、アルバムの導入曲としては大変良く、スムーズにアルバムに入っていけます。




2曲目の「テル・ミー・ア・ベッドタイム・ストーリー」大好きな楽曲で、心地よい作品に仕上がっています。



ハンコック氏の代表作である「処女航海」は4曲目に入っており、笠井さんのボーカルを支えるハンコック氏のピアノが良く、テナーサックスのソロがこの作品の魅力を高めています。

5曲目の「ハーヴェスト・タイム」は、笠井さんとハンコック氏のデュオで演奏された美しいバラードで心安らぐ1曲です。
アルバムタイトルとなっている「バタフライ」は7曲目に収録されており、何ともいえないムードをかもし出している1曲となっています。




レコーディングから30年が経つアルバムですが、私にとっては、いつ聞いても新鮮なアルバムです。
大人の女性には好まれるアルバムではないかと思うのですが・・・。

投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。