一昨日、某企業が所有する植物公園に伺いました。種の保存を目的とした公園で、広い敷地に世界の木々、草花、果実、薬草、水生植物など、ゾーンごとに纏められており、かつ、景観にも配慮された素晴らしい公園です。初めてお伺いしたのは2月、今回で7回目の訪問となります。初めて伺ったときに、様々な木々の葉を見、こんなに多くの緑色があるのかと驚きました。今回は深まる秋の訪問でしたが、花をつけた桜がありました。「狂い咲きですか?」と聞くと、「ここでは、1月から4月まで様々な桜が順番に花を咲かせませますが、これは少し早く花をつけたようですね」とのことでした。皆さんはご存知でしたでしょうか、桜は種類によって、寒い時期に咲くものもあるんですね。
エンターティメントの世界で、木々や花々は名脇役です。例えば、映画で、赤や黄色の落ち葉を見れば、深まる秋と判りますし、茶色い落ち葉ばかりだと、冬だなと判ります。また、見ている者の感情的な部分にも影響を与えます。一輪の花を持ち思案する役者がいれば、恋する人に打ち明ける否か悩んでいるのでは、と感じとれたりします。などなどエンターティメントの世界での木々や花々は、単に、背景や持ち道具としてではなく、空間演出、シーンの説明役であったり、役者の代弁者となって、その作品やシーンに幅や深みを与えてくれます。
今回、一本のモミジが素晴らしい演出で秋を感じさせ、楽しませてくれました。一本のモミジのなかで葉の色が、緑~薄緑~黄金色〰薄い赤~赤と、秋の始まりから深まる秋を閉じ込めたようなモミジで、これは脇役ではなく、主役でしたね。
この公園に行くと、優しく、穏やかな気持ちなり、創造的なり、話も弾みます。素晴らしい公園ですが、残念ながら、現時点では未公開となっており、皆さんに詳しく紹介できないのが残念です。「種の保存」が大きな目的となっている以上、致し方ないですね。