2009/09/05

クリス・コナー:素直な人柄が伝わるボーカリスト死去

3日モダジャズ・ボーカリストのクリス・コナーさんが81歳で亡くなられました。病で伏せるまでは、年齢を感じさせない歌を披露しておられました。


彼女がボーカリストとして広く注目されたのが、53年にBETHLEHEMから発表された「Chris Connor sings Lullaby of Birdland」。アルバムタイトルにもなっている「バードランドの子守唄」は、日本でも人気を博しました。

クリスの歌声は、同時期に人気を博した女性ボーカリストに比べ「色気」・「甘さ」と言うものは感じません。しかし、自然で小気味よくスイングする彼女の歌 は、気取りがなく、親近感があり、他の女性ボーカリストにはない魅力を持っていました。聞けば聞くほど深みにハマるタイプのボーカリストと言えばいいので しょうか。


彼女の思い出としては高校生の頃の私にとって、他の女性ボーカルは「お色気」がありすぎて、なんとも言えない気分になったものですが、彼女の歌声は、未成熟の高校生には適度な歌声で、当時、女性ボーカルといえば「クリス・コナー」と言っていたことを思い出します。



彼女のアルバムには駄作がなく、円熟期と言われるATLANTIC時代のもはどれも良い出来です。また、それまでのアルバムに「大人」という感じが加わったのもこの時代です。

その中から1枚を推薦といわれても困るぐらいですが、スタン・ケントン楽団つながりといことで「DOUBLE EXPOSURE(1960)」を紹介します。こ のアルバムは、円熟期に入ったクリスと、録音当時、絶好調のトランペッター、メーナード・ファーガソンを迎えてのアルバムで、モダン・ジャズボーカルと ビックバンドの醍醐味を同時に楽しめるアルバムです。個人的には、ファーガソンが少々おとなしい気もしますが、良いアルバムであることは確かです。

ジャズ初心者の方には、ATLANTIC時代の1956年〰61年にかけて録音されたジョージ・ガーシュインの作品 を集めたソングブックがお勧めです。ジャズ初心者の方でも耳にしたことある楽曲が多く含まれているのもよいのではないでしょうか。リリカルに歌い上げられ たバラードはどれも素敵です。


ご冥福をお祈りします。

投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。