ゴールドサックスマン(GS)が行ったTOBは今年5月に成立。今月17日に東証マザーズ上場廃止手続きを終えました。これでユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、USJの持ち株会社としてGSが設立した会社、GSの孫会社の完全子会社となりました。上場廃止後、元役員たちは執行役員や本部長などになり、常勤取締役で残ったのは社長を除いて1人となりました。新たな役員は、非常勤となっていますが全てがGSグループの方々のようです。
以前、書きましたが、企業ビジョンが「(略)・・・ハリウッドの世界最高のエンターテイメントを提供・・・(略)」から、「(略)・・・エンターテインメント&レジャー業界におけるアジアのリーディングカンパニーを目指す」に変わり、国内コンテンツの採用、ETアドベンチャーの跡には、主人公となるキャラクターが存在しないドイツ・メーカーのアトラクション「宇宙空間を飛行する新ライド・アトラクション(来春開業)」を導入。今後も、ノンキャラクターのアトラクションや国内コンテンツの積極的利用が進むのでしょう。
米国やシンガポールに導入される「マミー」「ハリー・ポッター」「トランスフォーマー」のアトラクションは、USJには導入されないのでしょうか。「ターミネーター」もアトラクションの変更が噂されてから、かれこれ2年。「ハリウッドの世界最高のエンターテイメントを提供」を行わなくなったUSJ。今後は、シーズナルイベントに力を入れ期間限定ながら「アメリカ」や「ハリウッド」といった環境を提供するとともに、国内人気キャラクターを採用したスペシャルショーを実施することで集客を図るのでしょう。
GSグループの完全子会社となったUSJ、集客の大きな伸びは無いものの、様々な企業努力を行い、サービスの低下を最低限に抑え、利益の出る体質にしたことについては十分に評価されるところです。
以前、上場廃止後、一層の体質強化を図り、5年後に再上場もあるかもと書きました。それに向けた動きなのでしょうか興味深い噂が聞こえてきました。GSグループ所有と言うことで、出ても致し方ない噂ですが、外資にUSJが売りに出ているとかいないとか。これについては個人的には無いと考えています。あくまで創造の域は出ませんが、5年かけて再上場の準備をし、その時に株の引き受け先として、今から外資系企業や投資会社などに打診しているのが、USJ売りの噂として流れているのではないかと考えます。
大阪府・橋下知事は、観光都市としての成長も視野に入れた発言として、エキスポランド跡地へのパラマントパーク進出への賛同、オリンピック予定地だったUSJの先にある埋立地「舞州・夢州」にカジノをと発言しており、再建中の大阪府にとってもUSJはそれらの核施設として機能してもらいたいと願っているでしょう。沈滞している大阪経済の中、雇用確保、税収は、大阪にとっても重要課題ですから、大阪経済の為にもUSJには頑張っていただきたいですね。
GSと聞けば、お金儲けのためなら・・・的なことが頭に浮かぶ方も多いかと思いますが、GSグループは、金融と経済のプロフェッショナルです。USJを素晴らしいテーマパークに発展させてくれることを願いましょう。