2010/11/21

カジノ解禁に向かうのか

11月19日、パチンコチェーンストア協会の会合において岩屋毅衆議院議員(自民党/国際観光産業振興議員連盟会長代行)が、今年8月に発表された「特定複合観光施設区域整備法案」について経緯と意義について説明をおこないました。
  • 超党派議連は115名だが、200名を目標にして立法化を目指す
  • 試算ではカジノを含む大型リゾート施設は、1施設(ホテル4,000室規模の複合商業施設)の場合、投資5,000億円、工期3年、雇用11万人で営業を開始した場合、年間売上約8,000億円、約650万人の来場中、外国人旅行者は130万人の規模と想定
  • カジノ誘致に意欲のある自治体代表者を集めた会合を12月16日開催予定
  • 立法での実務面では省庁の協力のもと観光庁との協力体制(MICE調査研究の予算拠出)
  • 日本経団連観光委員会委員長の大塚陸毅会長(JR東日本)との協力姿勢など、次第に協力体制が整いつつある
などを報告し、カジノ法案について賛否両論活発に議論が巻き起こり、そのような中で元気な日本づくりに向け理解を呼びかけたようです。

「特定複合観光施設区域整備法案」とは、カジノを核とした複合施設の整備を目的とした法案のことです。民主党など超党派でつくる「国際観光産業振興議員連盟」が試案としてまとめ発表されたものです。その概要は以下の通りです。

カジノを核とした複合観光施設を設置できる区域を「特定複合観光施設区域」とし、国・自治体・民間主体の役割を明示。国や自治体が運営を厳格に管理、監督することで、賭博を禁じている刑法に抵触しないよう立法措置を講じる。開発、施設整備には税金を使わず民間資金を活用する。当初は国内に2カ所とし、最大10カ所に限定し区域は国が指定する。
同整備法案は、国際競争力のある滞在型観光と地域経済の振興を目的としたカジノを核とした複合観光施設の整備が狙い。収益の一部は地方と国の財政に貢献する。
※法案提出は、2011年の通常国会を目指しています。
上記概要で重要なのは「開発、施設整備には税金を使わず、民間資金を活用する」で、80年代から90年代にかけて全国で観光振興を掲げ、多くの税金が投入され第三セクターで造られたテーマパークや各種施設の多くが破綻したことの反省が含まれていると考えられます。

また、民間資金を活用するとのことですが、遊戯機器メーカーの参入意欲は皆の知るところです。実のところ国内大手企業も既に海外でのカジノ事業に関わっており社会評価を考慮し表立った動きをしていないだけです。やるぞとなれば資金は集まるでしょう。

以前にも書きましたが、上記にあるように当初2カ所の候補地がどこか、最大10ヶ所に設置するとなったときの地域はどこかが気になるところですが、当初の2箇所は、沖縄・北海道・東京と思われますが、東京はオリンピックに再立候補を思案しているとの話も聞きますので手を上げるかどうかでしょう。沖縄は間違いなく特定複合観光施設区域として指定されるでしょう。また、その後の10ヶ所については道州制で区分された地域に一つといったところでしょうか。

カジノを核とした複合施設の必要性とそこへの期待は、政府、自治体、企業にとって大きいものですが、まずは政治のバタバタが落ち着き、法案提出とならない限りなんともなりません。この調子だと春ではなく、秋の国会になりそうな気もします。

とはいえ他のアジア諸国は着々と観光立国への道を歩んでおり、日本でカジノが認可されたあかつきにはアジア諸国と激しい誘客合戦が予想されます。

もう土建国家はごめんです。建設することが目的にならぬよう、恒久的な営業(集客)行い、しっかりと収入を得るためには何をしなければならいのか、単に施設を造るだけではなく、航空行政、観光地整備、ビザ発給の緩和、自然や歴史的建造物の保全と再発見など、総合的に新観光産業の創出・発展を目指し、国家戦略としてまとめていただきたいものです。もちろん国民への十分な説明と理解も行なっていただきたいですね。

投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。