初めて聞いたのは発売から4年後ぐらいだったと思います。当時ジャズとロックの融合から生まれたクロスオーバーやフュージョンといった新しいジャンルが人気を博していました。既にジャズピアニストとして地位を確立していたハンコックが、それ以前にジャズ+R&B+ファンクを融合したアルバムとして世に出したのがこのアルバムですが、賛否両論のあったアルバムです。特にジャズファンからは良い評価は得られませんでした(現在ではジャズファンからも高い評価を得ています)。
シンプルなバンド編成とアレンジ、収録されている楽曲全てでイントロが印象的で、次の展開を期待させるアレンジとなっています。そしてロックビートや16ビートにのって期待通りのアドリブをハンコックが聞かせてくれます。ハービー・メイソンのドラムもいいですね。
このアルバムが持つリズムのきれとスピード感、アルバム全体に漂う何ともいえない空気は、約40年前の作品とは思えなく、今聞いても素晴らしと思えるアルバムです。
Chameleon
Watermelon man
ハンコックは「ウォーターメロン・マン」が作られた背景をインタビューで語っています。彼の出身はシカゴで、「夏になるとリヤカーにスイカを積んだ行商人が、“スイカはいらんかね〜。甘い甘い、ジューシーなスイカ・・・。”と言いながら売っていたことが子ども心に強く残っており、その売り声のメロディーを楽曲にした」と述べています。