イブの朝、教会の神父はパイプオルガンが壊れていることに気付きました。その原因はネズミがかじったことによるものでした。雪深い冬のこと修理はすぐには来てもらえないだろうし、クリスマスのミサもできないと困り果てていました。
そうこうしていると、赤ん坊が生まれたから祝福してほしいとの知らせがあり、神父はその家に向かい祝福を済ませ深い雪道を教会に帰る途中、約2000年前に貧しい馬小屋で誕生したイエスのことを思っていました。
イエスが生まれ、星が輝き、両親、牛飼い、動物たちもみんなイエスの誕生を喜びあった。パイプオルガンなんてもちろんない。と思いをはせていると、あのイエスの誕生を歌った歌詞が次々と浮かびました。
しかしメロディーが浮かんでこない。なんとかこの詩にメロディーをつけてミサで歌いたいと思い、友人の小学校教師の元に行きました。教師はオルガンにストで、ギターは弾けないし、作曲もできないと断りましたが、神父がギターコードの3つぐらいは知っているだろうというと、それくらいならと作曲が始まりました。そしてわずかな時間で曲を書き上げたそうです。
そしてその夜、神父がテノール、教師がバスと二人の女性と共に4重唱で歌われました。聖夜、教会に響く「きよしこの夜」に村人たちは感動したそうです。
きよし この夜 星は光り
救いの御子は まぶねの中に
眠りたもう いとやすく
きよし この夜 御告げ受けし
牧人たちは、御子の御前に
ぬかずきぬ かしこみて
きよし この夜 御子の笑みに
恵みの御世の あしたの光
輝けり ほがらかに
素敵なクリスマスを・・・