オリンピックはスポーツの祭典として、世界平和を願うメッセージを発信続けて来ました。これは彼らの使命でもあります。加えて近年、環境問題に対しても強い関心を示し、会場の立地や建設が大きな環境負荷を伴わないのかなど、常に世界が抱える課題に対し積極的に取り組み、様々な形でメッセージを発信しています。
日本でも定着した感のある、スポーツ選手と地域とのつながり。活動する地域での積極的な交流が、地域社会にさまざまな形で貢献し、支えています。スポーツ選手たちが、地域で行う日々の小さな活動からオリンピック大会に至るまで、スポーツマンシップ(競技者精神)が積み上げた4年に一度のオリンピック。そこから発せられるメッセージが、強く、深いものであるのは当然であり、その精神が生みだした個々の選手たちの競技する姿は、力強く、美しく、感動的であるのも当然と言えます。
そしてそれらについてオリンピック憲章のなかで、強い信念で貫き通されている「オリンピックの根本原則」は、現代社会に向けたメッセージともいえます。
<オリンピックの根本原則>
- オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡 のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化や教育と融合させるオリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などに基づいた生き方の創造である。
- オリンピズムの目標は、スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てることにある。 その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。
- オリンピック・ムーブメントは、オリンピズムの諸価値に依って生きようとする全ての個人や団体による、IOCの最高権威のもとで行われる、計画され組織された普遍的かつ恒久的な活動である。それは五大陸にまたがるものである。またそれは世界中の競技者を一堂に集めて開催される偉大なスポーツの祭典、オリンピック競技大会で頂点に達する。そのシンボルは、互いに交わる五輪である。
- スポーツを行なうことは人権の一つである。各個人はスポーツを行う機会を与えられなければならない。そのような機会は、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が必須であるオリンピック精神に則り、そしていかなる種類の差別もなく、与えられるべきである。スポーツの組織、管理、運営は独立したスポーツ団体によって監督されなければならない。
- 人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属する事とは相容れない。
- オリンピック・ムーブメントに属するためには、オリンピック憲章の遵守及びIOCの承認が必要である。