昨年11月29日で日本初の公演が終わり、今回は2度目の日本公演となります。短期間で2度目の公演が行われるということは人気のある証しでしょう。
ブルーマンは、ニューヨークで生まれ人気となった、顔を真っ青に塗った3人のパフォーマンス・グループ。音楽、寸劇、映像、電光掲示板などを組み合わせたパフォーマンスです。彼らの演奏する楽器は水道管(ポリ塩化ビニール製)で作られた打楽器で、かれらの「青・無表情、無言」に加え、彼らのパフォーマンスには欠かせないモノのとなっています。
90分ノンストップでおこなわれるパフォーマンスは、身近な社会的テーマなどを彼らなりの解釈で表現したパフォーマンスです。飽きることなく、十分に楽しめる内容でした。個人的解釈では、全体のテーマは「ネットワーク」、「インタラクティブ」。つまり「人との繋がり」と解釈します。そして、2つのテーマは稼働しなくなった工場で、そこに放置されている工業製品を組み合わせショーが創られていると、いった感じです。
当然ながら、文字だけでショーの内容を表現するのは難しいのですが、笑われることを覚悟して、一部紹介します。
タイトル:「インタラクティブ(かな?)」
世の中にくまなく張り巡らされたネットワーク「下水道ネットワーク」。我々が排水したモノが巨大な下水道ネットワークを流れています。行き着く先は皆同じ。もし下水管にトラブルが発生し逆流することになったら、それぞれの家庭などの排水口やトイレに逆流・噴出。あなたは、この現象を受け入れられますか。「インタラクティブ」。
なかなか意味深いパフォーマンスでした。
簡単に解説すれば、必要としなくなったものを皆同じところ(海)に廃棄しています。そこにも我々と同じように生きる命がある。あなたは、人が廃棄したものをあなた自身受け入れられますか。できないでしょう。もっと平たく、おおざっぱに言えば「環境問題」、「自分勝手」。もう少し皆で、考えてみましょうよ。と言うことなんでしょう。
これだけでは全くもって分からないと言う方、是非シアターに足を運んで下さい。大人にとっては意味深く、楽しいひととき。子どもでも十分に楽しめるパフォーマンスです。90分笑いが絶えないショーは、老若男女全ての人にお薦めです。
個人的には・・・。
塩化ビニール製水道管でつくられた打楽器、なぜだか心地よいものでした。母親の胎内にいた時に、常に聞いていた母親の心臓の鼓動に近いものがあるのでしょう。
石油製品の代表格「ポリ塩化ビニール」。我々の生活のあらゆるシーンで重宝されてきた塩化ビニールですが、ダイオキシンの問題をはじめ、その製造過程で使用される薬剤、製品の廃棄など、環境に対する多くの問題が取り上げられました。
そんな製品でつくられた楽器で奏でられる演奏が、心地良く感じてしまうのが、何だか皮肉に思えた夜でした。