2010/07/24

テーマパーク事業の実態調査発表と大阪に一言

テーマパーク、遊園地134社の実態調査が帝国データバンクより発表されました。(テーマパーク、遊園地事業の収入が最も多い事業者)

2009年の収入合計額は、7544億2900万円(前年比2.7%増)。内オリエンタルランドの収入が42.2%を占めています。全体の傾向としては横ばい減収となっており、依然厳しい状況は続いています。

そのなかにあって、オリエンタルランドは前期比12.7%増。ラグーナ蒲郡は37.9%増と二桁の伸びを示しています。

ラグーナ蒲郡は、愛知県・蒲郡市が主体となりトヨダグループが完全バックアップしている施設です。「ちょっとお洒落な感じ」、「今までにない体験の提供」など、市場を読んだ戦略が功を奏しています。また、豊橋という立地から名古屋と浜松の双方からの集客に成功し、かつ、ナガシマリゾート(ナガシマスパーランド)が高い集客を誇っていた、カウントダウンとプールのお客に目を向けさせ集客できたことも集客増の大きな要因と考えられます。

さて、常に比較される東のTDL&S、 西のUSJですが、それぞれの事業内容などを詳細に比べる必要があり、単純に収入だけを見て比較はできませんが、収入といった点からは横綱と幕内最下位といった数字であることは確かです。2008年の数字となりますが、単純に入場者(2009THEME INDEX/ATTENDANCE REPORTより)だけを見ても同様です。立地環境も大きく左右しますが、商圏となる人口の差、観光客にとって「東京」という強力な誘客力の中にあるオリエンタルランドと、誘客力の低い「大阪」では当然の結果でしょう。

<収入(2009)>
㈱オリエンタルランド(東京ディズニーリゾート) 
3184億6700万円(前年比12.7%増)
㈱ユー・エス・ジェイ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)
685億3000万円  前年比6.3%減

<入場者数(2008)>
オリエンタルランド入場者数  25,686,000人
(TDL13,646,000人 TDS12,004,000人)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン 入場者数 8,000,000人

USJの開業からの歴史は皆さんご存知のとおりですが、USJが順調に事業を行っていくためには年間入場者数850万人以上が目安と聞きます。現在、大阪再生に取り組んでいる橋下知事、なかでも余暇および観光産業という点には力を入れているように思います。大阪城再生プロジェクトやカジノ構想、パラマウント・パーク建設、梅田の北ヤード開発とサッカースタジアム建設構想と、いくつものプロジェクトが浮上しています。街の活性が街への誘客に繋がり、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの集客にも繋がると思います。

しかし、今後は国内だけの競争ではなく、施設観光の整備を着々と進めている韓国、シンガポール、中国などのアジア圏との観光客獲得競争が一層激しくなるのは必至で、競争相手となる国は既にカジノを解禁しており、空港をはじめとするインフラ整備など、日本より一歩先を行っています。

大阪は、カッコ良さを意識することなく、人情と大阪商人のド根性にグローバル・センスをもう少し磨き加え、是非とも再生を現実のものとしていただきたいですね。日本を代表する企業の多くを輩出してきた街ですから、できないことはないはずです。

投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。