シンガポール・セントーサ島に造られた複合型リゾート施設「リゾート・ワールド・セントーサ」は、昨年春に一期工事が完了し、複数のカジノ、ホテルとショッピングモールなどとともに、ユニバーサル・スタジオ・シンガポール(USS)は開業した。
昨春のオープンは一部アトラクションを除いたオープンであり、今回が正式な開業となる。とはいえ映画「マダガスカル」をテーマにした世界初の「マダガスカル・グレート・アドベンチャー」、映画「トランスフォーマー」をテーマとしたライドアトラクションの稼動は、グランドオープンには間に合わず年内中に稼動するとのこと。
日本時間27日午後に、ユニバーサル・パーク・アンド・リゾート社会長兼CEOのグレン・ガンペル氏は、記者会見の席上で、今後、韓国、ドバイで開業を予定していると述べ、他にも中国、他のアジア新興国での計画があると述べた。
韓国については2014年開業予定、ドバイについては中断していると聞いている。中国については上海万博と同時に隣接地に開業を予定していたが中止。博覧会終了後、上海にはディズニーが進出することになった。ユニバーサル・スタジオは中国のどこに予定しているのだろう。上海での中止理由は、中国とユニバーサルにとってシコリが残るものだったと聞いているが・・・。
今後、アジア各国で計画されているテーマパークは、単にパークだけではなく周辺環境をも含めた複合型リゾート施設として計画されており、ここで幾度か書いたが外国人観光客誘致を着々と準備している。韓国しかり、中国においては香港からマカオまでの海岸線を一つのリゾートエリアとして「珠海長隆国際海洋リゾート・プロジェクト」として壮大な計画をスタートさせた。
日本では観光庁を創設し「観光立国!観光立国!」と叫んでいるが、何ら具体的なプランはでてこない。今までやってきたことは、従来より業界や観光地自らやってきた活動を、多少なりとも後押しし、国、自治体、観光地、業界みんな一緒に頑張りましょうと動いただけで、多少の成果は出たものの、それは中国の経済発展に頼るとこが多く、冷静に見ればその成果は低い。
このような状況を見ると、ますますカジノ法案成立ありきの観光庁創設と見られてもしかたがない。多分カジノ法案通過までは「辛抱、辛抱」と庁内で言っているのだろう。
このままでは、西からの外国人観光客は日本海を越えては来てくれないだろう。