2010/07/04

大阪城を世界に誇る名城に

大阪は1990年ごろから、観光客やビジネス客の大阪での滞在日数や来阪機会増に努めました。既存の観光資源と新たに建設された各種施設など、大阪の魅力を高め、大阪をめぐる的なキャンペーンも行い、大阪の魅力をPRしましたが、思うようにはなりませんでした。

そんな中、6月に大阪商工会議所が、「大阪城を世界に誇る名城にする会」の発足に向けてと題した、大阪城周辺の魅力向上に関する提言を行いました(詳しくは以下を参照ください)。

提言書では、大阪という街を改めて検証。現在の状況に至った原因を明確にし、その上で次世代の大阪はどうあるべきかを示し、大阪城を大阪のランドマークの中心とした、観光都市の再構築を提言しています。夢トークはなく、正直に現状を語り、今度こそは、「国際観光都市 大阪」の創生に向け、強い意志と情熱をもって進めていきたいと書かれています。

大阪は2000年を前に、90年「国際花と緑の博覧会」、商業施設と展示会場を備えた都市型水族館「海遊館」が開業しました。その他、橋下知事が府庁を移設すると発言し話題となった「大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)」、「関西国際空港」、「大阪ドーム(現京セラドーム)」、「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」、「クリスタ長堀」、「フェスティバルゲート」など、ビジネス、アミューズメント、商業施設など、第三セクター方式で大型の開発が次々と行われました。

しかし、「海遊館」以外は破綻し、現在は再建計画に基づき運営されています(大阪ドームはオリックスが購入。USJはGS孫会社が所有)。また、既存の観光資源も十分に活用するに至っていません。

今までの開発は府民から見れば、開業するまでブラックボックス状態でした。つまり、開業するまで、何が、何のために作られたかを多くの府民が理解していなかったということです。この提言を現実のものとするためには、計画段階から府民の興味を引き、理解と協力を得、阪神タイガースへの応援や岸和田のだんじりのように、官財民が熱く、一致団結して、提言を現実のものとしていく必要があると思います。ましてや事業費については、府民からの寄付を期待しているようですから。

提言書では、
・・・種々の規制、資金問題等課題は山積するが、それを越えるのは、「大阪城を世界に誇る名城にする」という「熱い思い」と何が何でもやり遂げるという「執念」、そして大阪人としての「共鳴・共感・協働」であろう。官民一体となった大阪が誇れる、大阪らしいうねりとなることを期待してやまない。(大阪商工会議所 ツーリズム振興委員長 田中 宰)

「やまない」が、他人事のようで気になるところですが、期待しましょう。


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