冷凍食品は安価で美味しいとは言えず、食品添加剤なども使用されており、手軽さだけが重宝される食品という認識が一般的だと思います。
昨日、奈良にあるレストランで、冷凍フランス料理のランチコースをいただきました。お店は近隣のマダムで満員。来店者は冷凍保存されたフランス料理を店舗で解凍して提供していることはご存じないようです。
使用されている食材は全て国内産の厳選されたもので、セントラルキッチンで調理・冷凍されたものをレストランで解凍・盛付けをし提供しています。(一部、お店で手を加えるものがある)。
「新鮮」:例えば陸揚げされた魚が一般流通で消費者の手に届くまでは、一般的に2日程かかり、人の手にも何度か触れることになる。しかし陸揚げされて直ぐに冷凍されたものは輸送に時間がかかっても、一般に流通したものより新鮮さを維持できるという。また、よく言われる解凍時のドリップ(うまみ成分が水分と共にでてしまう)についても、今の冷凍技術ではドリップはほとんどでないとのことで、旨みについても十分に品質が保持できるとのことでした。
「安全」:厳選した食材(無農薬など)を使用し、調理や冷凍時に食品添加物などは一切使わず、調理後直ぐに冷凍しているため安全であるとのことでした。
確かに冷凍されたものとは思えない料理で、肉の旨みの一つである油の味は、一度冷凍されたものとは思えない美味しさがありました。お寿司については、シャリとネタを別々に冷凍したものをお客様に出す前にセットし提供しています。回転寿司や安価な居酒屋で食べる刺身などは薬品の味がしますが、全くそのようなことがなく、握りたての味とは言いませんが十分なものでした。またデザートのシフォンケーキがその特徴であるふんわり感と弾力が、冷凍されても損なわれていないのにも驚かされました。
これらの美味しさは厳選された食材を使用するのはもちろんのことですが、その冷凍技術に秘密があり、均等磁束密度と電磁波、そして冷風をハイブリットした冷凍機で冷凍されたものでなくてはならいそうです。簡単に言えば、普通に冷凍したのでは水分が凍った時にその氷結が大きいいためそれが細胞をつぶすことに繋がり、それが解凍した際にドリップとして旨み成分とともに流れ出してしまうそうです。しかし、この冷凍機を使用することで、多くの小さな氷結を一度に作ることができ、それにより大きな氷結をつくるのを防ぐそうです。結果、解凍した際にドリップの量を大幅に減らすことができ、旨み成分が食品から流れ出さないとのことでした。
高い冷凍技術は、安全で美味しい食を提供することはもちろん、計画生産、輸送の効率化、廃棄処分量を減らせ、結果としてコストを下げることにも繋がるというわけです。
この冷凍機は、既に多くの食品加工メーカーや食品の製造販売、洋菓子店が使用しているとのことですが、一部の購入事業者については、「食品を一旦冷凍していることは外部に漏らさない」、「冷凍機器を購入したことを漏らさない」という機密保持契約を取り交わすところがあるということです。つまり消費者が冷凍食品は美味しくないという認識があるがゆえのことだそうです。
とにかく驚きの冷凍フランス料理体験でした。
注:野菜、フルーツは冷凍したものではありません。ちなみにイチゴは冷解凍が可能だそうで、グレープフルーツは向かないそうです。
福島原発の作業員の現場の食事は、できるだけ空気に触れず、調理の必要としないものという条件での加工食品を食べられておられると聞きます。紹介した冷凍食品はパックされており原発内で食する食品の条件に合うものだと思います。美味しい幕の内弁当をパックして冷凍し、常温解凍して食べれば、一般に売られているお弁当と何ら変わりのないお弁当が食べることができます。缶詰やクラッカーなどに比べるとはるかによい食事が取れると思います。東電さん検討されてはいかがですか。